第2回メディテーションワークショップ-初心者のためのアナパナサティ-

「今日は雨の中いらっしゃって下さってありがとうございます」という禅師の一言で始まった初心者のためのアナパナサティ講座。大型の台風の接近を間近に控え、生憎の空模様でしたが、告知されてからそれほど長い期間がなかったにも関わらず、傳修院広報担当のOさんの努力の甲斐あって、多くの初参加の方々がお見えになりました。

場所は観音様で有名な浅草寺のすぐ側にある浅草公会堂。歌舞伎をはじめとする大衆芸能の殿堂で、約四十年の歴史があるそうです。その四階にある畳敷の集会室で、この講座が開かれました。浅草は今まであまり来たことがなかったのですが、新宿や渋谷とはまた違った趣の、独特の活気のある繁華街です。外国人観光客の姿も目立ち、着物姿の人も多く、「和」のテイストが前面に出ています。禅師も「若者に今最も人気のある街の一つらしいですね」とおっしゃっていました。


講座の内容は、大きく分けれ三つのセクションからなっていました。まず初めに、アナパナ瞑想それ自体に入る前段階として、周囲の環境も含めた身体の整え方、及び心の整え方について、詳しい説明がありました。次に、アナパナサティの定義と特徴、他の瞑想法との相違点、基本的なやり方、注意すべきポイントなどについてのお話があり、最後に参加者から寄せられた様々な質問に対する回答がありました。どのセクションの内容もとても簡潔で分かりやすく、活き活きとした語り口で、初心者が持つであろういくつかの疑問点や、陥りがちなミスに対しても、予め先回りして丁寧に解説して下さいました。

ここにとてもその全てを書くことはできませんが、いくつか印象に残った内容をピックアップしてお伝えします。傳修院でも普段から禅師が再三強調されていることですが、瞑想それ自体の重要性にも増して、「前行」「後行」が大切だということ。これが上手にできるかどうかで、全く瞑想のレベルが変わってきます。それから、短くてもいいから、毎日継続することが肝要だということ。「何も思考しない時間を持つ」ということの大きな意義。「座ってやることのみが瞑想」というのは誤った固定観念で、瞑想はスッタニパータの「慈経」にあるように、座っても、立っても、歩いても、横になってもできること。アナパナ瞑想の対象である入出息以外に注意が逸れたり、雑念が湧いたときは、ラベリングなどの技法より、ただシンプルに「さらり、さらり」と流してしまうのが最適だということ。瞑想を急にストップして、いきなり日常生活に戻るのは心を傷つけてしまう危険性があり、できるだけ時間に余裕を持って、余韻を楽しみながらゆっくりと瞑想を終えることが大事ということ。これらは講義のほんのごく一部です。個人的には、これらの内容がいつか書籍化されて、より多くの人に伝わったら素晴らしいなと思います。

一時間半ほどのお話の後、傳修院の典座であるIさんお手製の美味しいチャイがふるまわれ、その後質疑応答のコーナーに移りました。「瞑想中眠くなるのですが」「なるべく早く瞑想モードに切り替えるにはどうしたらよいですか」「雑念で集中が途切れてしまいがちです」「長いほど良い瞑想ですか」など、基本的ではあっても、どの瞑想修行者においても共通する、非常に切実な内容の質問が寄せられました。初めて来られた参加者の方々の、瞑想に対するモチベーションの高さと真剣さが伝わってきて、大変感銘を受けました。

私自身もこのセミナーに参加して、また明日からの瞑想修行に、新たなエネルギーをもらったように思いました。惜しむらくは、あっという間に所定の時間が過ぎてしまい、もう少しだけ余裕があればなあと感じました。そのくらい講師と参加者の心が一つになった、濃密なセミナーでした。

今後も二か月にいっぺんのペースで初心者向けの瞑想講座が開かれる予定だそうなので、関心のある方は時々傳修院のホームページをチェックしてみて下さい。次の講座が楽しみです。

参学者Q